日記一覧

ウサギが欲し過ぎて引っ越す

ホーランドロップイヤー

 ウサギが飼いたい。ホーランドロップイヤーのウサちゃんが飼いたいのである。
 先日ウサギカフェに行ってきた。ネカフェみたいな個室で60分。指名したココちゃんというウサギと戯れてきた。初めは指名、個室、という暗鬱なワードからソープみたいだなと思っていたのだが、僕の邪気に満ちた心はココちゃんを前に一瞬で浄化された。
 ココちゃんは神掛かっていた。跳ね回ってはしゃぐココちゃん。撫でてもらおうと、寄ってきて頭を差し出すココちゃん。僕の手からエサを食べるココちゃん。食べにくいのか僕の手をペシペシと前足で叩いてエサをたたき落とすココちゃん。一挙一動が可愛いのである。
 それ以来、僕の生活の中になぜウサギがいないのかムカつく日々が多くなった。そんな自分にびっくりする。そういうペット依存の人種を心の奥底で見下してきたのは誰だったか? お前か? 僕だ。
 よくあるじゃない。川島なお美的な女優が自分の犬に対して「ママだよー」とかなんとか。犬相手にママを自称してるのを見ては、ああはなりたくないものだなと思っていた。ペットに没頭するなんて現実世界からの逃げであるぐらいに思っていた。私生活が充実しないからペットに慰みを求めてるのねプスス。ソープよろしく心の穴を埋めるためにウサギだかネコだかの個室カフェ行けばいいじゃないプッスス。個室60分800円コースですぞ、とっても不健全っぽい響きだよ個室○分ってさプススのス。など。
 しかし違う。こう、人には根源的に何かを愛でたくなる時期が来るんだと思う。それが子供だったり、ネコだったり犬だったりする。僕の場合は最初に来たのが金魚だった。気づけば金魚に向かって「ナーちゃんナーちゃーん、エサだよー」などなど猫なで声をあげる30手前が出来上がっていた。川島なお美が見たら気持ち悪がるだろうと思う。しかしそれは同族嫌悪ぞ、なお美。オメーも気持ちわりいからな、おい、なお美。なーにがママだ。それ、犬だぞ。
 しかしもう川島なお美をバカにできない。だってウサギは既に僕の心の中で一緒に生活したい人ランキングに突発でランクイン。選挙だったら急に共産党がバコーンって300議席ぐらい取ったかのような急転直下のランクイン。その意外性。僕自身も驚いてる。
 なんたって飼わないのに3回ぐらいペットショップに行ったし。「この子ならこのケージを飼って〜、ヒーターはこのサイズで〜」などと取らぬ狸の皮算用してたもん。この場合は取らぬウサギか? 木の根っこ? うるさい。とにかく飼いてえんだよ。
 「じゃあ飼えばいいじゃない」と言うそこのお前が僕にはマリーのアントワなんとかに見える。パンがなければケーキを食べれば云々よろしく簡単に「飼えばいいじゃない」とか抜かすけどこのトワネット野郎! 僕のアパート、ペット飼えねえんだよバカたれ。
 ペットショップの店員は「ウサギはグレーなとこ多いんだよね。もしかして飼えるかもよ?」などと営業トークかましてくる。んでアパートの約款を1年10ヶ月ぶりに開いたよ。そこには「大小問わず動物は禁止」と。ええ。でかでかと書いてありました。そういえば大家さん、ここに越してきたときに4回ぐらい「ペットは駄目だからね! 絶対駄目だよ!」と強調してたわ。そのときは「僕は川島なお美じゃありませんからねえ、そんなにうるさく言わなくても大丈夫ですよ」なんてバカにしてたけど、クッソがー! あんだけ強調された後に、「え? ここペット駄目なんですか?」といけしゃあしゃあと言えるぐらいの精神力が欲しい。
 とはいえルールは守らねばならない。なので引っ越す事にしたよ。ウサギ飼いたいから引っ越す言うたらアパマンの田口似の店員も失笑でしたよ。でも関係ねえ。あと2ヶ月ほどしたら新たな土地にどろんですわ。駅近、ペット可、2LDKで安いの。おまけに対面キッチンにウサギのいる生活付きですよ。ぎょえー。幸せ過ぎて死んじゃいマウス。あ、間違えた。幸せ過ぎて死んじゃウサギ。ああ、なんかポポポポーンライクなこの語感。とにかく引っ越すよ。わーい。そして川島なお美、バカにしててごめん。今なら気持ち分かるよ。気づかせてくれてありがとウサギ。ポポポポーン。