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煩悩を払う気ゼロ 【エッセイ】

大晦日にコンビニにバイト入ってたら、珍しくお坊さんが客としてやってきた。ははあ、やはり大晦日だけあってお坊さんも色々と物入りなんだろうな、おとそとか買い忘れたのかな、とか思ってたら、お坊さん。仏のような穏やかな笑顔でレジに来たと思ったら、どっかりとコンドームとAXEボディースプレーを僕の前に置いてきた。そしてまるでおにぎりか何かを買うように「おねがいします」と落ち着き払った声でおっしゃったので、ああ、こういうときに日ごろの修行の成果が出るのか。まったく動揺が顔に出てないものな。としみじみ思った。否。何か違う。
 大晦日に坊主がセックス。安い薬局ではなく、コンビニで買うほどなのだからよほど火急のコンドームだったのだろう。その日じゃないといけない避妊だったのだろう。
「ワシは鐘を108回ついたあと、さらに女の尻も突いてやらんと気がスマンのジャ!」
てなもんだろうか。
 というかあれは姫始め用なのだろうか、姫納め用なのだろうか。姫納めだと、よっぽど早く鐘をつかないと間に合わないんじゃなかろうか。すると、今年の除夜の鐘は異常に早いペースが刻まれるのかもしれん。
「おかあさーん、なんか今年の鐘、はやくない?」
「フフフ、それはね、お坊さんが早くセックスしたがっているからよ」
「ええ? わかんなーい」
「大人の事情よ。ねえあなた」
とか想像してたら、がぜん年越しが楽しみになるような、そうでもないような。
 でもなんか悔しいので、どうか坊主の相手方が生理になりますようにと祈って僕はそばをすするよ。ズズー。うまい。あーあ、今年最後の日記が坊主によって汚された。ちくしょう。生理になれ。あ、また。ちくしょう。
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